ぼくら花束みたいに寄り添って

――そして、いよいよ最後の3曲でパート4に突入する感じ。まず10曲目、「ぼくら花束みたいに寄り添って」。ドラム・ロールで始まるイントロがカッコいい。

カネコ そうそう! あのイントロ、めっちゃかっこいい。「クる~!」って感じ。

――これもBobくんの即興?

カネコ いや、でもみんなで「Bobから始めようや」って言ってて、これは間に入るドラムのフレーズとか、リハスタですごく考えてた気がしますね。この曲はドラムがけっこうポイントですよね。

――たしかに。ギターも全編で大活躍してるけど。

カネコ そうそう、ギターもすごくかっこいいですね。

――エンディングに向けて、ギターがアルペジオでだんだん盛り上がっていくところも、それをバンジョーが追いかけてくるのも感動的で。

カネコ うんうん、いいですよね(笑)。ライヴでやるのが楽しいです。ドラムがね~、すっごくいい。

――1番のセカンド・ヴァースの、〈最近悲しいニュースが多いねと呟く君の横顔/失礼だけど可愛すぎて〉というラインとか、カネコさんの観察眼が鋭すぎて、唸るしかない。

カネコ (笑)ここは「ごあいさつ」の〈君の睫毛が落ちるのを 見逃さなかったよ〉みたいなことと一緒で、そういうのが好きですね。

――その次のラインで〈感動している 些細なことで〉と言ってるけど、そういう些細なシーンを見逃さないで感動できるのは、本当に素晴らしいことですよ。

カネコ 有り難いです。みんながライヴに来てくれるだけで嬉しいですし、お手紙くれるだけで嬉しいし。

――しかし、〈感動している君の眼の奥に今日も宇宙がある〉って、すごいフレーズだなぁ。

カネコ (笑)

――たしかにライヴ向きの曲かもしれない。

カネコ うん、楽しい。これがリード曲になってよかったですね。

――〈喧嘩の後のアイスは美味しいね〉っていう真理も組み込まれているし。喧嘩の後には甘いものが食べたくなる。

カネコ そう(笑)。でも美味しいものだったら何でもいい。喧嘩した後には。

――「感動している」って繰り返し言うのも、さらなる感動を誘うんだよね。

カネコ あー、1番と2番でね。

――「感動していることを忘れずにいよう」って本気で思うから、何度でも確認したい。だから、いちばんベタだけどそうとしか言えない「感動」というワードを何度も繰り返すんだろうなと。

カネコ そう。でも、こういう風に歌ってると、私がすごく感動しているように聞こえるし、全然それでいいんですけど、〈感動している 些細なことで〉の後で〈感動している君の眼の奥に~〉と言うところでは、「感動している」の後に空白は入れていなくて、「感動している君の眼の奥に宇宙がある」って感じるくらいきらめいている君の眼が素敵だなと思ってる……っていう風にしてみました(笑)。

――自分のことだけじゃなくなるんだ。

カネコ そう。それが伝わるといいな。感動することはきれいだよ、っていうか。

村田 なんか、ライヴに来てくれるお客さんがステージを観ているときの眼とか、すごくキラキラしてて……。

カネコ ね? そういうことだったりとか。それも含めて気に入ってますね。

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